アーバンレポート 第282号2022年12月発行
「賃貸に求められるセキュリティ」とは?
昨今、賃貸住宅も多様化し個人のプライバシーを重視した賃貸住宅の需要が増えています。就職して3年目に入った私の娘が会社補助の効くエリア(渋谷駅)周辺に引越しをしたい、との相談を受け、普段はプライベートでも滅多に行かない渋谷駅周辺の物件案内に行ってきました。
数日間物件をネットで絞り込み見学する物件は1件(1件しかなかった)。
娘のこだわり条件は、「部屋タイプ1K、家賃11万円以内、渋谷駅まで徒歩15分圏内、オートロック付き、洋室、バストイレ別、6畳以上」でした。
補助はあるとは言え、その家賃が毎月払えるのか?渋谷徒歩エリアでそんな物件があるのか?等、思いは複雑でしたが一応娘なので、その条件にプラス「2階以上」の条件を追加しました。
数日後、娘から候補の物件が出た、と言うので朝一番で待ち合わせして部屋の見学へ行きました。渋谷駅から賑やかでお洒落な奥渋商店街を通り12~13分で部屋へ到着。外観・室内・設備も希望通り。家賃も共益費と合わせてピッタリ11万円、部屋は6.7畳、オートロック付き、防犯カメラ付、2人の希望条件が奇跡的に100%揃った物件に出会ってしまいました!見学後に申込みの連絡をする私に「まだ1件しか見てないけどいいの?」という小声を遮り、話をとんとん拍子に進め翌週には契約の運びとなりました。
オシャレなカフェが立ち並ぶ商店街沿いの立地もそうですが、何よりもセキュリティ万全で安心して生活ができそうな所が決定の理由でした。最終決断は殆ど私の意見が優先になった感はありますが(笑)、娘も引越し後の住み心地はかなり快適らしいです。身内の部屋探しを経験するとやはりセキュリティ面が結構気になるもんだなと実感しました。
最近では外部に対してだけでなくマンション内でも入居者同士がなるべく顔を合わさない部屋配置や、駐輪場などから目線が合わない工夫もされていたりしますが、結果、入居者の中には数年間住んでいても隣にどんな人が住んでいるのかさっぱり分からない、という人も今では珍しくない時代になってきました。(娘も引っ越して数か月経ちますが入居者と殆ど会った事がないと言っていました。)それはそれで親としては心配な要素ですが。この数年のコロナ渦の生活において、賃貸住宅は「一時的な住まい」という感覚から、「生活の本拠地(拠点)」としての意識が強まってきている事は日々の接客の中で感じていますが、入居者が求める賃貸住宅へのこだわり条件は年々高まりつつあります。
入居者が求める主な条件は安全で安心して生活できる場であること、室内の設備・機能が整っていること、管理やサービスが充実し、かつプライバシーが保たれていることなどが挙げられます。
その中で上位に挙げられる「安全」について、現在の賃貸住宅に付帯されるセキュリティ設備を挙げてみます。