書名:「なぜヒトだけが老いるのか」 ジャンル おすすめ度(★1~★5まで) 実用書 ★★★★★ 書評 ヒトはなぜ老いて死んでいくのか。本書はこのメカニズムを生物学の最新の知見を用いて明らかにしたものだ。細胞内に死を支配する遺伝子が生まれながらに宿っており、ヒトは必ず老い死ぬようにプログラムされている。さらに、この仕組みこそが、人類の進化と多様性を担保していると説明する。もし、不老不死の仕組みを獲得していれば、環境変化に耐えられず絶滅していたというわけだ。 また、「老い」は、ほかの生物とは違い、人類にとっては贈り物でもあると著者は言う。老いることで体力や記憶力は衰えるが、一方で本質を見るなどの知能は向上する。老いの知性を生かして、残された人生を積極的に楽しむことが大切だと著者は主張する。 全ての本を選ぶ