書名:「会社の中の仕事 社会の中の仕事」 ジャンル おすすめ度(★1~★5まで) ノンフィクション ★★★★ 書評 際限のない「超」長時間労働、硬直した企業文化、「お客様は神様」に代表される過剰なサービス――。 現代日本を蝕むさまざまな問題は、突き詰めれば私たちの「仕事」観に由来している。高度資本主義下での 摩耗を避けたければ、会社のなかの「組織人」として生きるだけでは十分でない。私たちは同時に、社会の なかの「職業人」としても生きなければならないのだ——。本書はこの要請とジレンマを出発点として、 働き手と組織、その双方が共栄していくための方策を探る。「やりがい搾取」問題の火付け役として知られる 社会学者がデュルケームに遡り、ときに『かりあげクン』をも参照しながら、私たちの「職業」を軽やかに 問いなおす。疲弊した日本経済が自壊するその前に、職業社会学は新たな地平を拓けるのか――。 全ての本を選ぶ