少子高齢化と不動産経営
アーバンレポート 第297号2024年3月発行
少子高齢化が進んでいる日本で、65歳以上の高齢者の人口は3,623万人(2023年9月15日時点)と総務省統計局から発表されました。総人口に占める高齢者人口率は29.1%で過去最高となっています。
高齢化社会が進むに伴って深刻化しているのが認知症患者数の増加です。2025年には認知症患者数が700万人を超え、高齢者の5人に1人が認知症を患うという推計(厚生労働省)も出ており、誰にでも起こりうる身近なものとなっています。
認知症になると自分の行為の結果を認識し、これに基づいて正しい意思決定をする意思能力がないと判断されるため法律行為を行うことができなくなります。民法では意思能力について明文化することにより、高齢化社会に対応するために「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。」と、平成29年の民法改正で条文が新設されました。