[ 2014.11.25. ]
208号-2014.11.25
今は規模の大小を問わず何処でも自社のホームページを作成している。
しかし工夫をしている会社とそうではない会社では、当然営業実績も大きな差が出る。だからホームページの有効性を常に検証する必要がある。
ホームページは言うまでもなく仮想店舗の位置づけである。実店舗と同じように入りやすい店舗と入りにくい店舗がある。又店舗には様々な目的(商品)ある。加えて24時間開店の無人店舗である。しかし、その店舗自体閲覧件数(PV(Page Views)数)・滞在時間は把握できるが、顧客がどのような反応をしたかは不明だ。ましてその印象は言ってくれない。顧客だけでなく、競合会社の社員も見ているはずで、その反応は折に触れてチェックする必要がある。営業社員は勿論、全員が常に他社と比較してリニューアルを図らなければならない。
入社希望者や問い合わせ等があれば「即、何処から?」という反応は日常的でなければいけない。ここにきて来店者数が減少した、問い合わせが少なくなった、とくれば何が原因だろうと考えをめぐらせなければいけない。当然アクセス数も確認するが、これは何処でもやっていることで目新しいことではない。顧客が同一物件を複数の不動産仲介会社に頼むような「一般媒介物件」こそ、PRできる舞台だと思わなければならない。普通はこのような「一般媒介物件」は力が入らないものだが、他社との競合が伯仲するケースこそ自社の仲介力を鍛える場なのだ。力及ばず他社に決まったケースでも、その敗因を真摯に分析し受け止めなければならない。物件掲載の仕方による集客力の差なのか、担当者の営業スキルの差なのか、を点検しなければならない。そこに初めて気付きができ、自己反省の場ができる。この繰り返しが自社の仲介力を高め、やはりアーバンの○○さんに頼んで良かったという評価になる。営業の醍醐味とはこれに尽きる。この充実感があるから暑い最中でも、夜遅くとも自分の行動が納得できるのだと、私は常々思ってきた。
ホームページは仲介現場の最前線だ。顧客の入り口だ。まず何よりもこの入り口を整備することが重要だ。それは営業の仕事、誰々の担当だから…ではいけない。全員が店番をしているのだ。もっと言えば誰でもバーチャル店の店長をしていると考えてほしい。他社と比べて、もっといい表現はないか、これで理解できる内容か、プラットホームとのリンクはうまく連動しているかと常時観測しなければならない。もし、ここで“6ヶ月以上見ていない!社員”が居たら当社にはふさわしくない社員ともいえる。まして、新規開店や社内主要イベントを知っているにも関わらず、自主的にホームページを確認していないとは言語道断だ。言われたことだけしかできない社員は、それなりの待遇で我慢すべきだ。営業感覚があれば、必ず関心が向くはずだし、自社の店舗だと考えれば気になるのは自然ではないか。営業は営業職だけの仕事ではない! 業務を問わず夫々のシーンで自分を顧客にPRしているはずだ。
営業力のある会社、活性化している会社とは、それに非協力的な社員が居られない会社を言う。なぜか? 「腐ったりんご(社員)や賞味期限切れは、早くかごの外へ出さなくてはいけない」からだ。そうしないと、全部が腐ってしまう。営業力がある会社とは、営業社員は受注に専念し、事務系社員は営業支援に徹する会社だ。
営業にマイナスな行為や、信用を失う行為があれば率直に言う組織だ。営業を補佐するにはどうすれば良いか、考え実行している組織だ。営業力がない会社は、どんな美辞麗句を言っても早晩淘汰される。営業力とは24時間「どうしたら売り上げを増やすことができるか! そのために私はどうすればいいのか!」を考えることから始まる。そして関連する書籍や自己啓発書を読み、ひとつでも実行する。その積み重ねが「営業感覚を鍛え、営業的な見方ができる」ようになる。勿論、動物的な感覚を持ち素晴らしい営業成果を挙げる社員も居るが、大多数はそのレベルまでは期待できない。そういう努力を重ねる事で平均レベルまでは到達可能だし、雇用側も育成する責任が出てくるというものだ。当社のような「家族的雰囲気のある会社」「ざっくばらんな会社」と「厳しくとも楽しい会社」は矛盾しない。ただし、それなりの「大人の社員」:自己の立場と役割を認識している社員の存在が前提だ。営業なら「数字を作る社員」だし、事務系なら時間内にミスがなく、スピードがある社員だ。それに交渉力があれば文句がない。そのレベルにない組織や社員は「強制と指導」が必要だ。
「数字の作れない」「ミスが多く処理が遅い」問題のある社員には組織として厳しく接する必要がある。何が問題なのか、それをどう是正しているか、本人だけではなく、先輩も上司としての対応が問われている。「パワーハラスメント」が叫ばれているが、これは日本だけしか通用しない和製英語だ。米国をみよ、世界をみよ! 職務基準に達しない社員は即解雇だ。それだけ、仕事の成果が厳しく評価される。基準に達しない社員は解雇されて当たり前だ。解雇が自由にできないからパワハラが起こるとも言える。そういう当たり前の社会に帰る必要がある。自由に退出(解雇)させられる、退出(解雇)できない組織こそ問題だ。
「鬱」の増加が社会問題になっている。「自殺者数が3万人を超えた」と問題になっている。これは日本人特有の問題だとは誰も言わない。民族的に言えば欧米人に比べ、日本人を含めた東アジア人は鬱になる傾向が高いそうだ。「インセンティブ(成果報酬)型雇用」と「メンバーシップ型(古い日本的)雇用」の差だといわれる。職務分担と範囲が明確になっており、退出(解雇)基準もはっきりしているか否かの差だといわれる。しかし国内では「パワハラ問題」は企業の命取りになっている。力でねじ伏せるのではなく、本人の自覚を待つしかない。迎合する必要はないが「雇用は企業の存続が条件」であり「組織の一員」として何を貢献できるかを問い続けなければいけない。
ホームページは店舗であり看板だ。「その店員(顔写真を掲載)が見られる」「企業の概要や商品もわかる」こんな便利なツールはない。人は見た目で9割が判断される。社員の顔写真は言葉を言っていないけれども、「是非私にお任せください!」という表現を伴っている。これはカタログであり、PRだ! こんな社員に頼んでみたい! というメッセージを求めているのだ。しかめっ面、横柄な顔は初めから顧客を拒否している。社員(店員)のイメージは最悪になる。「営業をしている」という意識が見られない! 何のためにホームページを出しているのか、意味がわかっていない! これを使ってもっと成果を挙げようとは思わないのか! なぜ自分のPRとして、もっといい写真を掲示したいと思わないのか!別に美人コンテストやハンサムコンテストをしているわけではない。「この人なら」という顧客からの期待を受け止められれば良いのだ。顧客から好感度を得られることが最低条件だ。「笑顔」は全てを癒し隠す。この魔法を使わない手はない。印象の悪い顔は、わざわざ私には応対させないでほしい、と言っているようなものだ。「指名手配のような写真」は貴重な資金を使って、わざわざイメージダウンをさせている。その辺の受注意識のない社員は間違いなく受注は低迷で、営業会社には向かない。こういうことが他人から指摘されない限り、自ら気付かないのは営業としての素質が全くない。指示待ち社員、責任転嫁社員、他責型社員という問題社員だ! 俺の印象は良くないが「知識では負けない」というツワモノも居るかもしれないが、入り口の段階で自ら狭めているようでは、せっかくの知識も活かされない。もったいない話だ。営業とはあらゆるチャンスとツールを最大限使用する仕事だ。
社長 三戸部啓之