[ 2017.10.25. ]
243号-2017.10.25
第30期上期成果発表大会を6月21日に開催した。
恒例の通り、午前中は社長方針、各事業部長方針、午後からは分科会という段取りだ。
成果発表大会(以前は方針発表大会)を初めて20年になる。売上も増え社員も増えたが、残念ながら内容は今一つだ。PDCAサイクル(Plan計画-Do実行-Check評価-Act実行)で発表する事になっているが、まだまだPが弱い。
P(計画)の前には、現状分析が必要だがどれも不十分だ。当社のように地域を限定して営業活動しているのに、その地域特性や人脈、人口動態、貸家数、転入転出数、世帯構成、年代構成すら把握していない。つまり、マーケットの規模や動向が見えなければ当然ターゲットは定まらない。
そこで自社の強み、弱みをきちんと把握しているかも定かではない。更に問題なのは「弱者の武器」とかって言われた「IT」に対する知識がなく対策がIT業者の言いなりになっている事だ。
現在では入居者のほうが不動産業者よりも物件知識が豊富で、その内容と現物が一致しているかを確認するために来店する。ネットにない良い物件を探している入居者も増えている。
このような中では、店長以下「アクセス解析」が不可欠だがそれもない。ここ5年で賃貸市場は激変している。弊社の他部門でも同じことが言える。
「敵を知らねば百戦危うからず」という諺通り、状況判断は兵法の基本中の基本だが、上司もその辺の指導が甘い。ターゲットを絞り自社の強みを生かす営業方法をとらなくては、絶対に成果は出ない。勿論その前提になるのは自己分析だ。「何が欠けているのか、何が問題なのか」をまず把握し、それを実地で改善する必要がある。実地というのは、兵法でいう「接近戦」に挑めという事である。これがないと、足腰の弱い、脆弱な精神しか宿らないからだ。
社内紹介や既存ルートの紹介専門の営業はこれがないから、その情報提供先がなくなればすぐに崩れてしまう。ストレス耐性もなく応酬話法も不十分だからである。
たまに、思いついたように上司の指示で地域の飛び込みを実施する事があるが、当然成果は出ない。以前、セミプロ的なオーナーが来社され、担当部署の営業がプレゼンテーションをしたが、ものの見事に罵倒された。あまりにも拙劣なプレゼンで「何が顧客にメリットがあるか」をキチンと説明できなかったからだ。紹介営業という楽な形態は十分な商品知識がなくとも相手は大目に見てくれるから、往々にして甘えてしまい自己の営業姿勢を振り返る事がない。又緊張感もないから顧客の真意を見ることもできない。常に上げ膳据え膳で口まで運んでくれる事に慣れている当社の紹介営業では当然だろう。これでは成果と実力・スキルが正比例しない。
紹介営業を主体とするある外資系の生保の営業マンとの違いは、紹介先に恥をかかせないよう、顧客第一主義をとり顧客から如何に好かれるかを常に考えて行動する、商品知識は完璧に準備するという当たり前の行動をしているところだ。其の細かい仕草が「信頼を得る」という事を忘れている。勿論フルコミッション営業との違いはあるが、その顧客に接する仕方は同じだ。
話は戻る。期初の計画は自らの指針であり、必達目標であるはずだ。
期初の計画自体は不満があるものの会社は一応認めている。その不満理由は、何を根拠に出しているかであり、「前期踏襲型や、希望的観測」で市場分析や競合相手を考えた数字ではないからだ。通常、計画数値は前期比130%以上に挑戦しないと、抜本的施策が立てられないし、行動や販促企画も従来の延長線上にあり、自分自身のストレッチが掛らない。
だから計画も閉めてみれば80%とか最悪の場合は60%しかならないし、その理由も全て他社がどうとか景気がどうとか、他律的になっている。この繰り返しが低迷未達成社員の共通項だ。これでは反省も何もあったものではない。
ストレス耐性がないことも営業としては問題だ。自分に負荷のかかる行動は極力避けたがる。
低迷未達成社員の未達成理由は二つある。
一つは、点検サイクルが1ヶ月以上の長期になっているからだ。これでは修正や行動の是正ができないし遅い。スピードもないから後手後手に終わる。本来なら半期6ヶ月の計画を毎月に落とし、さらに一週間ごとに落とさなければならない。そして毎日結果を点検し、翌日にそれを修正するのだ。だから対策項目は毎日点検できる項目にしなければならないのだ。そして検証は何パーセントできたかで判断する事だ。
非営業社員も同じだ。自分の業務はいくらの利益になったのかを見ないと、いつも抽象事になり業務の改善もできない。ルーティング業務だけで振り回されることに自己満足を得ている。
二つ目は上司の問題だ!
その毎日の計画と結果を上司が点検し指示を与え、問題があれば自ら同行し、問題点を部下に教え、翌日の行動に反映させることがないからだ。特に個人数字のない店長や管理業務を兼任している拠点長は、部下の指導こそが主たる仕事になるはずだ。それを愚直にやれば、余程のバカでない限りある程度の成果は期待できる。その見極めも拠点長の仕事だ。部下の適性に向いている場所に移転させるべきだし、それでも駄目なら会社を変えてもらうしかない。彼の向いている仕事に就かせるべきだ。拠点長や部門責任者は、自ら「仲良しクラブの長ではいけない」「部下に嫌われることを恐れてはいけない」。 部下を成長させるには厳しい躾が必要だ!放任ではいけない。早く成長させるためには年齢経験を問わず、躾ることが必要だ。部下も年齢経験を問わず謙虚さが必要だし、それがないと伸びない。会社でいう躾とは「決められたことを必ずやり遂げる癖だ」勿論その躾が必要な事を、滾々と理解させなければいけない。どこでもトップをとった社員は同じことを言う。
「厳しいけれど、あの上司に鍛えられたことで今の自分がある」と言わしめるのだ。それが充実感につながり仕事に面白みが出てきたという。沢山いる若年寄営業は、そう言う事態は予想されていたはずなのに、怠慢のツケが来ただけだ。真剣に自分の人生を考えるなら、変な格好付けはやめて、今すぐリセットしてほしい!
今までインプットの量が少ないのだからアウトプットがないのは当然だ!だから、必死でインプットしなくてはいけない! 体力と記憶力の劣化が始まっている。
今までのだらけた、ブヨブヨの体と精神を鍛え直すのだ!ライフ&バランスではなく、2年間で良い。
ライフ&アンバランスを宣言せよ! 勿論、家族の了解が前提になる。今までは、適当な人生を送ってきた!これから心機一転、自己改造し、君たちの為に残り少ないサラリーマン人生をかける」と宣言すればよい!昔、武士も自分の生き場所を護る為に命をかけた、だから、一所懸命と言う言葉があるのだ。
サラリーマンも現代の武士だ!家庭を護る為に、ここで一所懸命になるのだ!
残り少ない、限られた時間を完全燃焼しようではないか!
全てが君の意識改革にかかっている!
社長 三戸部 啓之