サポート通信 081号2018年3月1日発行
賃貸のペット需要は広がりを見せている!しかし現状は?
いま日本で飼われている犬・猫の推計頭数は1,972万5千頭と言われています。(全国犬猫飼育実態調査より)昨今は猫ブームという事もあり調査開始後、初めて猫の推定飼育数が犬の数を上回りました。少子化のいま、子供のいる家庭よりもペットを飼育する家庭のほうが多いと言われています。
ペットの飼育環境がよくなった事や、ペット共生型住宅の増加、高齢化や少子化におけるコンパニオンアニマルの存在が高まったことなど、ペットブームのひと言ではすまされない、様々な時代背景とともに、“飼う・飼われる”の関係から、“家族・パートナー”という存在に変化してきたといえます。
そうは言っても、大半の賃貸物件がペット不可という現実です。少しづつ新築物件を中心に増加傾向がありますがまだまだ全体の3%程度で、都心部でも15%程度でとどまっています。ペットと一緒に賃貸住宅で暮らしたい!と思っている顧客がいながら、提供できない貸主のリスクは以下が挙げられます。
① 原状回復工事が高額になりやすい⇒柱・壁・柱などの引っかきキズ、排水溝にたまったペットの毛などの問題。
② 入居者間のトラブル⇒飼育者とそうでない人とのトラブル(臭い、鳴き声、共用部分の利用方法等)
③ 近隣とのトラブル⇒鳴き声、排せつ処理などトラブルを未然に防ぐことにより、需要の見込まれるペット可賃貸を運営していく為にはどのような対策が必要か。
現在、当社では以下の方法をとっています。
1.ペットの種類、個体数、大きさを制限する
⇒物件で飼ってよいペットの種類を定める。大きさ(キロ数)、頭数、写真添付して事前に提出させる。
2.敷金を預かり、原状回復の範囲を明確にする
⇒退去時のトラブルが特に多い為、通常の敷金より1ヶ月ほど余分に多いのが一般的なので、当社では礼金として確実に徴収しております。また、原状回復範囲については確実に貼替を希望する箇所は特約を設けています。
3.家賃を高めに設定し、ペット仕様の室内作り
⇒空室対策として、通常の部屋を単にペット可としても何の工夫もありません。
家賃を相場より高めに設定し、かつ満足して入居できる部屋が最終的に他物件との差別化といえます。ペット可(特にネコ)物件への住み替えを希望する来店者が多いなか、提供できる部屋が少ない現状を考えると、今後は大手の参入等も考えられます。日頃の飼育方法や、これまでのトラブル履歴の申請など予防策を万全にし、オーナー様の理解を図り積極的に提案していきたと思います。