旧耐震基準と新耐震基準について
アーバンレポート 第207号2016年9月発行
今年4月14日、熊本県熊本地方で震度7を観測した地震がありました。最近、日本の各地方に地震が頻繁に発生していることで、不安を感じる人も増えてきたように思われます。
建物においても震災の被害が大きくなってきており、今後の建物被害が心配され、アパート・マンションの維持管理・修繕の準備金に危惧を感じているオーナー様も増えてきていると感じられます。
さて、今回の熊本地震で死亡した人が発見された倒壊家屋・アパート計34棟について、不動産登記簿などにより建築時期を確認できた25棟のうち、23棟が新耐震基準(1981年6月)より前に建てられていたことが、毎日新聞の調査で分かっております。
そして今回、予想外なのは阪神大震災以後、耐震基準が強化された2000年以降に建てられた比較的新しい木造家屋のうち、全壊が51棟もあることが日本建築学会九州支部の現地調査で分かったことです。その要因は、本震・余震共に震度7、6といった強い揺れが連続発生したことが全壊につながったとみられ、学会は耐震基準の見直しが今後必要かどうか分析を進める方針となっているそうです。