建築コストを下げるには
アーバンレポート 第219号2017年9月発行
私が建築業界に入って早くも30年近くが経ちました。この間にも建築業界ではいろいろな変化(進化)がありました。 今回は建築について書いていこうと思います。
日本の建物で一般的な工法は木造軸組工法(在来工法)です。
土台・柱・梁・屋根組と全ての骨組みを木材で作り、その全ては大工さんの手によって加工(手刻み)されていました。大工さんが棟や梁をつくる「棟梁」と呼ばれるのも頷けます!
手刻みによる仕上りでも、その熟練した「技」。なめらかな手触りの「美」。釘などを使わない工法でもその強度を失わない「強さ」。全てにおいて日本建築の最高だと思います。しかしながら、このやり方だとどうしても時間とコストがかかってしまうデメリットがありました。
腕のいい大工になるためには、「穴掘り3年、鉋5年、墨かけ8年、研ぎ一生」と言われるように長い修行期間が必要です。徒弟制度、請負制度といった従来のシステムは、労働環境の厳しさもあり、熟練した職人も減ってしまいます。